Mitte vol.1 2016年 SUMMER
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長崎和牛 肥育農家山口 恵子さん山口畜産の二代目・英也さん、ナツ子さんご夫婦の三姉妹の末っ子。幼い頃から牛の世話をする両親の背中を見て育ちました。中学を卒業する頃、家業を継ぐことを決意。農業専門の高校・短大へ進学し、20歳の時に肥育牛農家の一員としての一歩を踏み出しました。「長く世話をしてると表情や立ち姿で健康状態がわかるんですよ」と恵子さん長崎和牛を好きになる!生産者の努力の賜物日本一になった「長崎和牛」 平成24年、「和牛のオリンピック」と言われる「第10回全国和牛能力共進会」肉牛の部で、「長崎和牛」は全国の名だたるブランド牛を抑え、最高賞である「内閣総理大臣賞」を受賞した。 この受賞で全国の料理人や精肉業者から注目される和牛ブランドとなった「長崎和牛」は、長崎県内の肥育農家によって一頭一頭丹精込めて育てられている。 山口畜産では46年前から和牛の肥育をはじめ、恵まれた環境の中で、家族の目が届く約300頭を肥育している。 「毎日、牛舎を回りながら声を掛けたり、スキンシップをはかったりしながら、一頭一頭の体調や腸内の具合を見極めています。特に季節の変わり目は注意しています。」と恵子さんは話す。 また、牛たちが快適に過ごせるようにと衛生面にも配慮した牛舎の環境づくりにも気を配っているとのことで、牛舎の中はとてもきれいに清掃されていた。 東そのぎインターチェンジから車で約5分、大村湾を一望する緑に囲まれた高台で「長崎和牛」を肥育(※)する山口恵子さん。 恵子さんの実家である山口畜産では豊かな自然に囲まれた環境の中で、子牛が牛舎に来てから約20カ月の期間、一頭一頭に愛情をたっぷり注ぎ、ブランド牛である「長崎和牛」を年間約150頭出荷している。※肥育……繁殖農家が育てた子牛を買ってきて、食用にするため牛を大きくして出荷すること徹底した品質管理で安全・安心な牛肉を提供 山口畜産で育てている「長崎和牛」を含め、「和牛」と認められたすべての牛には個体識別番号が発行される。この番号は一元管理されており、生まれてからの成長の履歴を消費者が確認できるシステムだ。だからこそ安全・安心で高品質な牛肉を提供することが可能になっている。 また、肉質を左右する牛の食事には各農家独自のこだわりがある。山口畜産では、水は地下120メートルからくみあげたミネラル豊富な地下水を与え、牛の成長に合わせて飼料を使い分けている。 「個体識別番号はスーパーのパックにも表記されているし、焼肉店や精肉店では掲示されてるので確認してみてください。番号の異なる牛の同じ部位を食べ比べて自分好みの長崎和牛を発見するのも楽しいですよ。私のオススメはサーロインに塩・コショウかワサビです。」と恵子さんは話す。和牛にとって血統はとても重要!これは「子牛登記」という人間でいうと戸籍謄本のようなもので、その牛の血統を証明するもの。恵子さんの一日起床、家族と朝ごはん06:00牛舎着、牛舎清掃、エサやり07:00エサづくり09:00お昼ごはん、昼休み12:00牛舎清掃、エサやり16:00お世話終了。夕ごはん18:00就寝23:00牛の耳につけられた札は「耳標(じひょう)」と呼ばれるもの。その牛の個体識別番号が記載してある。モ〜っと

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