Mitte vol.2 2017年 WINTER
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収穫したいちごを手に話す大介さんと父・幸雄さん。農家の後継者不足が叫ばれる中で大介さんの就農は両親にとっても頼もしい シュガーロードの要所だった鈴田峠は、歴史の道百選にも指定された由緒ある土地。菓子・スイーツには欠かせない「いちご」の生産地だ。 そんな鈴田地区のいちご生産者の中で、次世代の担い手と期待されているのが、大介さんら30〜40代の若手後継者。大介さんは「私は若手の中でも経験が浅く、まだまだ修行中です。知らないこと、分からないことが多くて、毎日が勉強です」と話した。 父・幸雄さんは「農家の仕事は1日1日、1年1年の積み重ね。1人前になるには時間がかかる仕事だが、1つ1つの作業をしっかりと取り組んでほしい」とエールを送っている。 諫早市と隣接する大村市鈴田地区に広がる農業地帯で長崎県の特産品「いちご」を生産する笠寺大介さん。 現在は両親とともに全国各地に出荷するブランドいちご「ゆめのか」を約27アールのハウスで生産している。 いちご栽培は、苗づくりから収穫を終えるまで、1作に14~15カ月かかり、長期間大切に育てられている。大介さんの一日06:00 起床、家族と朝ごはん 子どもたちの登園準備・送り出し07:30 いちごハウスにて収穫開始09:30 出荷準備 大村市内の集出荷施設へ出荷11:30 昼ごはん、昼休み13:30 いちごのパック&箱詰め作業17:00 作業終了 家族一緒に4世代で夕ごはん 家族との団らんタイム23:00 就寝Strawberry YUMENOKAStrawberry YUMENOKAStrawberry YUMENOKA「ゆめのか」生産者笠寺 大介さんかさでらだいすけ 父・幸雄さんが38年前に鈴田地区の農家有志と始めたいちご栽培。 大介さんは農業高校を卒業し、会社勤めを数年間経験。結婚し家族が増えた頃、父親が続けてきたいちご農家を継ぐため2年前に就農しました。 本人曰く「まだまだ修業中です」とのこと。文化が行き交った場所で育てられる赤紅の果実あか べに 大介さん家族の安全・安心な食品へのこだわりは、人が口にするものだからこそ、消費者の皆さんが安心できる農作物づくり。自然素材の肥料を土に使い、苗植えの前には病害虫を駆除して土をきれいにしている。生育中はハウス内の温湿度管理や排水にも気をつかっている。苦労して手をかけたいちごが、赤々と大きく育っていく姿は毎年のことだが農家として一番嬉しい瞬間だという。 大介さんは「結婚して家族を授かってから、今まで以上に食べ物への意識が変化しました。親として安心して食べられる食材を子どもたちには食べさせたいし、消費者の皆さんにも安心して食べていただけるいちごを!という思いが強くなりました」と語った。 大介さんに就農希望者へのメッセージを尋ねた。 「何の仕事でもそうですが、一人前になるには時間がかかります。農業は作業が1年に1度のことも多く、特に時間がかかります。ただ、日々できることが増えてきて、喜びとやりがいが少しずつ増えてきます。同世代の就農者が1人でも増えて、メイドイン県央のおいしい食材を若手世代が一緒になって全国に発信していきたいですね」と力強い気持ちをみせた。Strawberry YUMENOKA土づくりは農家の原点収穫の喜びを次世代へと!「ファッションが好きなんですが、最近はほぼ作業着ですね(笑)」と大介さん。「ゆめのか」の出荷は毎年11月から翌年5月頃まで続くご「ゆめのか」berryNOKA

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