Mitte vol.7 2019年6月
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碾茶とは茶葉を蒸した後、揉まずに乾燥させたもので、抹茶の原料となります。乾燥させた茶葉から葉脈などを取り除き、石臼で挽きやすい大きさに砕いたものが碾茶です碾茶を石臼などで細かくすりつぶし、粉末状にしたものが抹茶になります株式会社FORTHEESを立ち上げた仲間(写真左より、尾上和彦さん、中山公輔さん、大山良貴さん、福田新也さん)先代から受け継いだ茶園を管理する福田さん親子 「そのぎ茶」は葉の形が勾玉(まがたま)のように丸く、渋みが少ない柔らかな味わいと香りの高さが特徴だ。 「私は中学卒業の頃に家業を継ぐことを決めました。当たり前にあった環境だったので、なんとなくといった感じもあったのですが、今ではお茶の奥深さに魅了され、日々お茶のことばかり考えてます」と話す新也さん。 JAながさき県央茶業部会東彼杵支部に所属し、2018年第72回全国茶品評会蒸し製玉緑茶部門で見事『農林水産大臣賞』を受賞した新也さんは、現在、8ヘクタールの茶園で家族と共にお茶を生産している。4月中旬から一番茶の摘採を開始。伺った5月中旬は抹茶の原材料となる「碾茶(てんちゃ)」の摘採に追われ、多忙な日々を送る。そのぎ茶生産者福田 新也さん(36)やしんだふく ふくだ園の三代目として、日々お茶の生産に勤しんでいる。仲間と共に会社を設立し抹茶の原材料となる「碾茶」の製造にも力を入れている。「そのぎ茶」の可能性を広げる生産者の若きリーダーとしても活躍中。 どこか懐かしくのどかな風景はそのままに、若い力が集まり新しい流れを感じさせるような場所となった東彼杵町。大村湾を見渡せる茶畑の中、家族や仲間と共に「そのぎ茶」を生産し、その評価を更に高めようと努力する福田新也さんの元へ伺った。茶匠たちを唸らせる長崎の銘茶「そのぎ茶」産地の若い力を結集して新たなチャレンジ! 新也さんは茶園でのお茶の生産業のほか、同じ生産者の仲間である、大山良貴さん、尾上和彦さん、中山公輔さんと共に「株式会社FORTHEES(フォーティーズ)」を立ち上げ、この春完成したばかりの「碾茶(てんちゃ)工場」にて、抹茶の原材料となる「碾茶」の製造を行なっている。「年々緑茶の消費量は減少しています。これからの茶園全体の経営安定のため、抹茶に着目しました。お菓子や料理など幅広く需要がありますし、海外にもアピールしやすいんですよ」と新也さん。「碾茶工場」の設立は県内初とあって、県内のニュースやSNSなどでも取り上げられ大きな話題となった。 「一緒に頑張ってくれる仲間あっての事です。一人では到底ここまでの事は出来ません」同じ土地で一緒に育ち、それぞれの茶園を営む同世代の仲間の存在はとても大きい。「10年後に良かったなと言い合えるよう、お互い今頑張ろうと励ましあってます。何よりみんなお茶の事が好きなんですよ。いろいろお茶について語り合うのも楽しいです」と語る。SONOGI TEASONOGI & HASAMI TEA伝統産業に吹く新風。第72回全国茶品評会『農林水産大臣賞』受賞碾茶(てんちゃ)とは

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