Mitte vol.7 2019年6月
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「鬼木の棚田」を一望できる茶園で生産に励む原田賢一さん親子秋に見ることが出来る色づいた棚田の絶景(写真提供元=波佐見町商工振興課)碾茶の行程を確認する新也さん。お茶づくりは作り手の五感によって製品の出来が大きく違ってくる繊細な作業だYouTubeで動画配信中!今回の取材の様子を検 索MitteチャンネルJAながさき県央動画チャンネル紙面で紹介しきれなかったインタビューの様子や裏話を公開!「そのぎ茶」の魅力をもっと多くの人へ発信する 同世代の仲間と「TSUNAGU SONOGI Tea FARMERS」というユニットを作り、パッと目のいくパッケージと共に、わかりやすく「そのぎ茶」の味や魅力を伝える商品を作って売り出している。「お茶も品種で風味が違っているので、コーヒーを楽しむようにその違いを楽しんでもらえたら」と、若い世代や海外などにも目を向けて、提案・アピールを行なっている。 「『そのぎ茶』を広めるため、いろいろな活動もしていますが、やはり自分の仕事の基本は品質の良いお茶を生産することです。夏の暑さから木を守るため根を深くしたり、より良い土づくりのため、研究してオリジナルにブレンドした肥料を作って使用しています」と安全で品質の良いものを作る努力も怠らない。 「自分は三代目ですが、先代から積み重ねてきた努力の結果を多くの人に知ってもらいたいと思っています」と謙虚に語る。更なるお茶の魅力、可能性が広まるのが楽しみだ。おいしさを追求したこだわりの『はさみ茶』おいしいお茶をつくり続けていきたいスマホ・タブレットはこちらの二次元コードからチェック!! JAながさき県央管内には、もうひとつ全国から熱い視線を浴びているお茶の産地がある。東彼杵郡の波佐見町だ。1999年に農林水産省が認定する「日本の棚田百選」にも選ばれた棚田を一望できる茶園で、原田賢一さん(51)はお茶の生産に励み17年目を迎える。 原田さんが手がける蒸し製玉緑茶「心茶 鬼木みどり」は、「日本茶AWARD2018」で「日本茶準大賞/農林水産省生産局長賞」を受賞。茶品評会とは違い、評価の基準は〝味〞。煎茶、ほうじ茶、紅茶など様々なジャンルの茶の中で、審査員を務めた一般の消費者から「おいしい」と評価され、見事全国2位の称号を獲得した。 鬼木の地形上、他産地と比べ栽培面積の拡大が困難であり、限られた面積の中でどのようにすれば〝品質が良いもの〞を生産し続けていくことができるかを第一に考えている原田さん。肥料は魚粕やなたね油かすなどの有機質肥料が主体。樹や土への影響はもちろん、環境にも配慮するこだわりを見せる。二番茶のシーズンが終わってからも茶園の管理は続く。10月頃まで秋肥、その後樹の休眠を前に整枝、翌年2月頃から春肥。こうした管理を経て、次の年の新茶シーズン本番を迎える。この時期に如何にして茶園の管理を徹底できるかどうかで、お茶の味が決まるという。 今年も8月から始まる「日本茶AWARD20 波佐見町にある絶景スポットで、日本の棚田百選にも選ばれている「鬼木の棚田」。その棚田の地形を活かした「おいしい」お茶づくりに親子二代で励む、原田賢一さんの元を訪れた。こだわりのお茶、絶景とともに。19」に出品する予定だが、原田さんは「波佐見茶だけではなく、長崎県のお茶を全国の人に知ってもらい、おいしく飲んでもらえれば嬉しい」と控えめに語る。 眼下に広がる壮大な棚田の景色。これから原田さんの目に映るのは、水を張った棚田に凛と立つ稲苗の姿と、秋の黄金色の稲穂、そしてお茶を楽しんでいる消費者の笑顔なのかもしれない。HASAMI TEA

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