Mitte vol.9 2020年 SUMMER
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みかん部会』で部会長を務める堀福松さんだ。 福松さんは昭和58年に就農し、37年間ハウスみかんづくり一筋のベテランだ。作付面積63㌃という福松さんのハウスでは、「宮川早生」や「原口早生」といった品種のみかんが栽培されており、この時期、多い日は1日で1・5㌧ものみかんを収穫している。夏に美味しいみかんが食べられるのも栽培技術の向上と生産者の努力の賜物だ。◆ 「ハウス栽培は、天候に左右されない分、温度管理や水分調整を徹底することで、均一に質の高いみかんを作ることができます。そこが露地栽培との大きな違いで、ハウスで育てることのメリットです」と福松さん。しかし、ハウスだからこその苦労もある。 「天候に左右されないメリットは、自然に頼ることができないというデメリットでもあります。例えば、雨で虫が流されないため、害虫駆除は露地栽培よりも大変だと思います。また、温度管理と水分調整は毎日のことなので、やはり気が抜けません。乗り越えてこられたのは、一緒に頑張ってくれている妻のおかげです。妻なしでは到底無理でした。なくてはならない存在、とても感謝しています」と福松さんは話す。 ハウスみかんは、主に関東・関西といった大消費地に贈答用などの高級みかんとして流通していく。福松さんは部会長として、消費地域に出向き宣伝活動を行うことも多い。「おかげさまで各地域、とても評判が良いです。小さな活動かもしれませんが、積み重なって大きな消費に繋がるように頑張っています」と、地道な努力の様子がうかがえる。◆ 露地栽培に比べると認知度も下がる長崎のハウスみかん。夏に美味しいみかんが食べられるイメージを持たない人もいる。 「夏でも美味しいハウスみかんがあるということを多くの人に知っていただきたいし、そのためには今後も安定した高品質のみかんを作り続けていくことが必要と感じています」そう話す福松さんの顔には、爽やかな笑顔が溢れていた。

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