Mitte11 vol.11
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て日中半袖で過ごせるほど暖かい日が続き、隅さんらいちご農家は、ビニールハウス内の温度や湿度の管理に例年以上に細心の注意をはらっていた。 「ハウス内はセンサーで温度や湿度などを管理していますが、いちごは環境の変化にとても敏感。葉を広げて花を咲かせるいちごたちの生育を、自身の目と経験から培った感覚で判断しています。毎日、天気予報はガン見しています。(笑)」◆ 隅さん一家がいちご栽培を始めたのは約40年前のこと。母・清子さんが田んぼの片隅で栽培し始めたのがきっかけだ。そんな母の背中を幼い頃から見て育った隅さんは約20年前、24歳のときに清子さんから受け継ぎ、いちご栽培を始めた。 いちごは1つの苗から、1シーズンに4〜6回ほどの収穫が見込まれる。初摘みまでに、葉の広がりや大きさ、厚み、張り具合、栄養の通り道である茎の太さや生育の日数、液体肥料の栄養素の配分など、人の目や感覚、蓄積したデータに裏打ちされた経験で判断しなくてはならないことも多い。隅さんは毎年のように微妙に違う表情を見せるいちごたちのため、天候や日照時間の見極め、気温や室温、水温や肥料の微調整など、常に研究を積み重ねている。ら日持ちが良いのが特徴だ。 隅さんいわく「フルーツは糖度の高さで評価されがちですが、糖度の高さだけではなく、甘さと酸味、食感などの総合的なバランスが大切。しかも、収穫して出荷し、全国へ運ばれる時間、店頭で販売されて消費者の手に取られるまでのトータル的な品質管理が重要ですね」と話す。 隅さんら若手いちご農家で作る北部地区いちご研究会では、「いちごをもっとおいしく」という想いから、情報交換はもちろん、お互いのハウスに行き来して生育状況を確認するなど、切磋琢磨しながら美味しいいちご作りを探求している。 JAながさき県央産いちごの多くは主に関東や関西エリアに出荷しているが、県内のAコープやJA直売所、一部のスーパーでも販売中。近年は、名前入りパッケージで生産者の「見える化」も進めている。また、北部地区いちご研究会が生産するいちごは、東彼杵町の「ふるさと納税」の返礼品にも採用されており、数ある返礼品の中でも人気が高い。 JAながさき県央産いちごは5月ごろまで販売。ご自宅用はもちろん、贈答用として、遠方に住む家族や兄弟、ご友人に〝家族愛〞あふれる極上のいちごを送ってみませんか?◆大好きな故郷・東彼杵で一粒一粒に心込めて。ながさき県央いちご

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